社員を知る
プロダクトSEから物流業界のSEへ。
社内公募を通して可能性を広げていく現在、AI技術を活用したクラウドサービス“CYTIS Shift”を物流業界に展開すべく邁進している犬塚 楽人。顧客に近い業界で、よりスピード感のあるソリューション提案に携わりたいと社内公募制度を利用し、現在の部署に異動。入社後を振り返りながら、パナソニック コネクトで働く魅力を語ります。
Profile
2017年新卒入社。入社後はソフトウェア開発センターにて、対内セキュリティのカードリーダーシステムのIT・STを担当。2018年からは東京都様や東海旅客鉄道株式会社様への監視カメラ・大型表示装置のシステム提案・構築を担当。2022年より物流SEとしてCYTIS Shiftの提案・納入に携わる。
顧客目線で真心込めたサービスを。フロントSEとして大手案件に携わる
大学で電気電子情報工学を専攻し、電子回路の特性とネットワークの基礎を学んだ犬塚。お客様に近いところで仕事をするフロントSEを志して就職活動する中で出会ったのがパナソニック コネクトでした。
入社後、犬塚が配属されたのはセキュリティサービス部。最初は、入退記録やゲスト用入館証の登録に問題がないかを確認するセキュリティシステムのテスト業務を経験しました。
犬塚
「知識が乏しい状態でお客様のフロントに立つのは不安だったので、開発SEからスタートしたいと入社前に伝えてありました。希望を汲んでもらって開発寄りの部署に配属になり、入退記録やゲスト用入館証の登録に問題がないか確認するセキュリティシステムのテストなどを1年ほど担当しました」
その後、フロントSE(顧客のフロントに立って交渉をするエンジニア)として自治体や大手鉄道会社の案件を担当するようになった犬塚。
犬塚
「お客様の課題を伺い、ハードと知識を組み合わせてそれを解決するためのソリューションを提供するという、まさに学生時代に思い描いていたような仕事でした。顧客満足と品質保証を重視するパナソニック コネクトの風土だからこそ、納期と調整に苦労をすることもありましたが、当社に根付いている『お客様大事』の考えを身につけることができたように感じています」
セキュリティカメラなど映像関連のシステムの提案に携わった犬塚。とくに印象に残っていることがあると言う。
犬塚
「フロントSEになって間もないころ、大手鉄道会社のお客様が、有事の際などに緊急の会議室で使われる大型の映像表示システムに興味を持ってくださりました。お客様先でデモンストレーションやディスカッションを実施したところ、導入いただけることに。さらにその後、他拠点でも追加導入いただいき、その翌年・翌々年と、別部署に立て続けに展開させていただくことができました。
顧客内で価値を認められ展開につながったのは、営業だけでなく、フロントSEとして自分が現場に足を運んでお客様とのあいだに、より強い信頼関係を築けたから、という一面を感じました。比較的早い段階で成功体験を得られたことが自信につながりました」
顧客のスピード感を求めて異動。社内公募制度で、民間企業へのソリューション提案へ
セキュリティサービス部では自治体の案件にも多く携わった犬塚。社内公募を利用するにいたった背景をこう説明します。
犬塚
「官公庁系のお客様では、中長期的に計画を立てるため、年度中に予算を組んで来年度に着手するといった展開にはなりにくいです。自治体の仕事をひと通り経験し、ある程度ひとりで判断して動ける経験を積んだので、次は民間企業を担当して、顧客の実施決定までのスピード感が速い環境で仕事がしたいと思うようになっていきました」
犬塚が応募したのは、流通・物流領域を担当するビジネスソリューション1部の公募。事前に念入りな下調べをしての決断でした。
犬塚
「ひと口に法人相手のSEといっても、基幹システムをお客様に長く入れてきた実績のある部署もあれば、これから開拓して提案していこうとしている部署もあります。私が探していたのは、新しいことに挑戦できるところ。以前から社内サークル活動でつながりのあった先輩社員に相談して、この部署ならお客様と近いところでソリューション提案ができると確信できたのがビジネスソリューション1部でした」
パナソニック コネクトの社内公募制度のベースになっているのは、“自分のキャリアを自分でつくる”という考え方。そのため、会社の組織戦略に基づく人事異動と違って個人の自由意志が尊重されます。社内公募制度は、応募に際して上長からの承認を必要としない制度ですが、犬塚は事前に上司と相談した上で応募を決めたと話します。
犬塚
「セキュリティの分野で一人前に動けるようになったのは課長はじめ、先輩社員たちのお陰だと大きな感謝を感じていました。自分が抜けた後の残される人たちに対して心苦しい思いもあったため、せめて事前にオープンにしておきたいと考えました。結果、異動を希望する前向きな気持ちを理解してもらい、『頑張れ』といって送り出してもらいました」
“CYTIS Shift”を物流業界に展開。ミッションは人員配置・雇用の効率化
社内公募を通じて、2022年にビジネスソリューション1部への異動を果たした犬塚。現在は“CYTIS Shift”の物流業界に向けた展開に携わっています。
犬塚
「“CYTIS Shift”とは、AIを活用して現場にとって最適なシフト計画を自動作成するクラウドサービスです。もともと流通業界のお客様向けに開発されたものですが、これを標準化し、物流業界にも適用しようと取り組んでいます。
お客様に最適なソリューションを提案するためには、業務を理解することが欠かせません。従業員の方々が対応可能な作業や特徴など、お客様と連携して必要な情報をインプットしながら既存アナログ業務をシステム化するプロジェクトを進めているところです」
犬塚が異動してきてまだ5カ月ほど。物流業界の専門用語が理解できず苦労する場面があるものの、周囲に支えられながら着実に手ごたえを感じていると話します。
犬塚
「業務内容については事前に調べていましたが、物流業界のSEなら知っていて当然の言葉を知らない点で苦労しています。物流業界全体で使われているものもあれば、お客様の社内だけ、当社内だけの共通言語もあって。周囲に教えてもらいながら、少しずつ知識を身につけているところです。
社内外の研修を受けたり、参考になる図書や動画を紹介してもらったりと、サポートは充実しています。とくに助けになったのが、初期の段階でお客様先に同行させてもらったこと。そこで現場のイメージがつかめたことで、ずいぶん仕事がやりやすくなりました」
「物流業界のSEとしてはまだまだ」と話す犬塚ですが、セキュリティサービス部でフロントSEとして培った経験が、今に活かされていると言います。
犬塚
「セキュリティサービス部で特定のプロダクトを扱っていたことで、お客様からお金をいただく大変さやコスト意識が身につきました。たとえば、セキュリティ商材の特性上、夜間に現場作業が発生することもあったのですが、期日までに作業が完成しないと〇百万もの利益が出ず、これまでのみんなの努力が無駄になってしまう……ということを考えながら仕事に取り組んでいました。
でも、その経験があったからこそ、協力会社様に『〇百万でこの機能を追加してほしい』と依頼するときも、その金額をかけて依頼する価値が本当にあるのかという意識を持って依頼する内容を精査できるようになりました。また、ソリューションを提案するだけでなく、最終的に導入するところまで責任を持って任されていたので、目の前の事象に対してどれくらいのコストが発生しているかを常に想像する習慣がついたのだと思います。
現在は、プロジェクトの中で役割を与えられ、多くのメンバーと一緒に動くことが多い上、プロジェクトだけではなくサービス全体、トータルでのコスト意識が求められるのですが、そうすると当事者意識やコスト意識が感じにくい一面があります。大きなスケールで仕事をしていても、数字に対する感度を保ちながら広い視野を保てているのは、前の部署での経験があるからですね」
大企業の基盤とベンチャー気質の中で、さらなる成長をめざしていく
公共と民間、ふたつの異なる領域の部署での経験を積んできた犬塚。パナソニック コネクトで働く魅力についてこう話します。
犬塚
「大きな組織ですが、自ら行動しようとする個人の意見や考えが尊重されるところがあり、ベンチャーのような気質があると感じています。たとえば、『こんな提案がしたい』と上司に伝えれば、『ちゃんとつくってから出直してこい』とは言われずに、『おもしろそうだ。一緒に考えよう』となることが多いです。部署にもよるでしょうけれど、自分の意志で動ける人にとってはとても快適な環境だと思います。
また、パナソニックブランドへの信頼感も魅力ですね。最初の扉を開けてもらえるというアドバンテージがあるため、芯のある提案さえできれば、そこからどんどん話が進んでいきます。これまでの歴史の中で培ってきたノウハウもあるため『やはりパナソニックさんだね』といっていただくことも多いです。安定した基盤の中で挑戦できる点は、とてもありがたいです」
そうした自社の強みを背景に、犬塚自身はどのような将来像を描いているのでしょうか。
犬塚
「物流業界のSEも自分にとっては通過点だと思っています。年齢的にも、今はまだ手札を増やす段階。現在の部署でしっかり経験を積んで、サービスや事業をつくれるような存在になりたいです。
また、自分がプレーするよりマネジメントすることに適性を感じています。いずれは新しいサービスや事業を生み出せる人材を育てていくための環境づくりにも力を入れていきたいです」
未来を見据え、自身の強みを磨き、増やしていく犬塚。その力強い背中が、今後とも周囲に影響を与えていくことでしょう。
※ 所属・内容等は取材当時のものです
犬塚
「システム導入前の商談フェーズからプロジェクトに関わって折衝するような、お客様と近いところで仕事ができるSEになりたいと考えていました。内定をもらった企業の中で最もそのポジションに近いと思えたのが当社でした。社内のサークル活動が活発なことや、対応してくれた社員の印象からも、自分の性格とマッチしそうと感じて、入社を決めました」